草虫
作品名 |
草虫 |
収載書名 |
『詩経』「国風・召南」 |
訳者名 |
白川静 |
訳書名 |
『詩経国風』(『東洋文庫』518) |
刊行年代 |
1990 |
その他 |
恋愛の歌。 |
喓喓草虫
趯趯阜螽
未見君子
憂心忡忡
亦既見止
亦既覯止
我心則降
陟彼南山
言采其蕨
未見君子
憂心惙惙
亦既見止
亦既覯止
我心則説
陟彼南山
言采其薇
未見君子
我心傷悲
亦既見止
亦既覯止
我心則夷
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喓喓(えうえう)たる草虫
趯趯(てきてき)たる阜螽(ふしゆう)
未だ君子を見ざれば
憂心 忡忡(ちゆうちゆう)たり
亦既に見
亦既に覯(あ)ひ
我が心 則ち降る
彼の南山に陟(のぼ)り
言(ここ)に其の蕨(わらび)を采(と)る
未だ君子を見ざれば
憂心 惙惙(てつてつ)たり
亦既に見
亦既に覯ひ
我が心 則ち説(よろこ)ぶ
彼の南山に陟り
言に其の薇(わらび)を采る
未だ君子を見ざれば
我が心 傷悲す
亦既に見
亦既に覯ひ
我が心 則ち夷(たひら)ぐ |
ようよう いなご
ばたばた はたおり
あいみぬうちは
こころなやまし
やつと会えて
やつと相見て
心がいえた
南山に陟つて
そのわらびをとる
あいみぬうちは
こころなやまし
やつと会えて
やつと相見て
心がとけた
南山に陟つて
そのわらびをとる
あいみぬうちは
こころなやまし
やつと会えて
やつと相見て
心なごんだ
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